国内であれ海外であれ、働きながら好きな場所へ移動するノマドワーカーとして生活するには、ノマドのライフスタイルと両立できる仕事がで必要です。自分で仕事のスケジュールを調整できるフリーランスとしての仕事が最も合っていると言えます。
そこでこの記事では、多くのノマドがやっている仕事や、実際にフリーランスの仕事を探す方法を紹介します。ノマド生活をしたい方やフリーランスとしてどのような仕事があるのか知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
ノマドワーカーとは？
近年のデジタル技術の進歩により、ワークスタイルも多様化が進んでいます。その一つが「ノマドワーカー」という働き方です。この記事では、ノマドワーカーがどのような人々を指すのか、そして、フリーランスやリモートワーカーとの違いについて説明します。
ノマドワーカーの意味
「ノマドワーカー」とは、文字通り「遊牧民のような働き方」をする人々を意味します。具体的には、特定の場所に縛られず、自宅はもちろん、カフェやコワーキングスペースといった様々な場所で仕事を行う人々のことを指します。
インターネットとパソコンさえあれば、どこでも働くことが可能というのがノマドワーカーの大きな特徴です。海外では「ノマドワーカー」よりも「デジタルノマド」と呼ばれる事が多いです。
ノマドワーカーってどんな人達？
ノマドワーカーには、ITエンジニア、デザイナー、ライター、コンサルタント、研究者など、様々な職種の人々がいます。彼らの共通点は、自分のスキルや知識を活かして、場所に縛られない自由な環境で働くことを選んでいるという点です。
そして、多くのノマドワーカーがデジタル技術を活用して、地理的な制約から解放され、就業時間と場所に縛られない生活を送っています。海外で旅を続けながら仕事をしている強者ノマドワーカーもいます。
フリーランスとノマドワーカーの違い
ノマドワーカーとフリーランスの違いは、働く場所の自由度にあります。フリーランスは、自己のスキルを活用し、自分自身で仕事を見つけ、自分の時間とリソースを管理して働く人々を指します。
しかし、フリーランスはあくまでも雇用形態であり、フリーランスが仕事をする場所は必ずしも自由ではないことがあります。例えばある顧客企業とフリーランス契約をしても、プロジェクト期間中はオフィスで仕事をする事を求められる場合もあります。
一方、ノマドワーカーは、働く場所に制約がないことが特徴で、雇用形態は関係ありません。正社員として企業で働いていても、仕事場所に制約がなく、様々な場所を転々としながら仕事をしているのであればノマドワーカーと言えます。
リモートワーカーとノマドワーカーの違い
リモートワーカーとは、オフィスから離れた場所で働く人々のことを指します。この定義からすると、ノマドワーカーもリモートワーカーの一種と言えます。しかし、リモートワーカーの多くは、固定の自宅やオフィスから離れた特定の場所で働くのに対し、ノマドワーカーは場所を自由に選べるという点で異なります。
ノマドワークに向いている仕事
好きな場所へ旅をしながら、インターネットとパソコンがあればできる仕事はいくつもあります。海外ノマドにも人気の仕事とは一体どのようなものなのでしょうか。
ここでは、多くのノマドワーカーが就いている代表的な仕事をピックアップして説明します。
①WEBライター
WEBライターとは、インターネット上で公開されるウェブサイトやブログの記事作成を行う人々を指します。この仕事がノマドワーカーに適しているのは、インターネット接続があればどこでも記事の執筆や投稿が可能だからです。また、クライアントとのコミュニケーションも電子メールやチャットツールを通じて行うのが一般的です。
WEBライターは未経験からでも始めやすく、募集件数も多いという利点があり、ノマドワーカーに人気の仕事です。即金性も高いことから、フリーランスではなく副業として始める方も多いです。
始めやすい分、ライバルが多いというデメリットもあります。また近年はChat GPTの登場で、高品質の文章の量産が可能となっているため、単に記事が書けるだけでなく、Chat GPT等のAIツールを利用して更にクオリティの高い記事を多く書けるスキルも必要になります。
専門知識や特定の分野での経験があると重宝されますし、専門性の高い記事のライティングは単価も高くなります。どのような記事が書けるのかを見てもらう為に、自身のブログ等を公開しておくと良いでしょう。
②動画編集
WEBライターと同じく、副業として注目を集めている動画編集。多くのノマドワーカーが活躍しています。
動画編集とは、映像素材を編集して完成した動画を作り上げる仕事です。この仕事はパソコンと専門のソフトウェアがあれば、どこでも行うことが可能です。映像素材はクラウドストレージを通じて受け取ることができ、完成した作品も同様にクライアントに送付することができるので、特定の場所に縛られずに作業を行うことができます。
ソフトを購入しなければならない上にスペックが良いパソコンが無いとできませんが、これからさらに成長するとされている分野です。実際に動画編集のスキルを生かしてYouTuberになる方もいます。
③翻訳
翻訳は昔からフリーランス需要がある仕事であり、現在でもそのことは変わりません。翻訳には主に文芸翻訳・実務翻訳・映像翻訳の3種類があり、それぞれ内容が異なります。もし自分が得意な外国語があるならば、翻訳業にチャレンジしてみてはどうでしょうか。
④WEB制作
WEB制作も副業やノマドワーカーの仕事として注目されている分野です。アプリ開発とは違い、高度なプログラミング等の専門技術は求められないものの、ウェブサイト制作の総合的な知識が必要です。
WEBデザイナーは、ウェブサイトの設計・デザインを行う仕事のことを指します。Phtoshopなどグラフィックソフトを使いこなせる事、ウェブデザインに関する知識やディレクターの意図を汲み取りデザインに反映させる能力が求められます。
フリーランスの場合はこれまでに制作したサイトのポートフォリオを求められる事が多いので、これから始める人はまず自分でのサイトを立ち上げる、またはデザインサンプルをいくつか用意しておくと良いでしょう。
サイト制作だけでなく、更新、メンテナンスなどの運用も任される事もあります。デジタルノマドとして生活するフリーランスでも十分こなせる仕事ですが、突然サイトがダウンした、といった状況に素早く対応できるようなネット環境を確保しておく必要があります。
⑤グラフィックデザイナー、イラストレーター
グラフィックデザイナーはウェブサイトに使うバナー画像やロゴ制作をはじめ、ウェブに限らず商品に使う画像をグラフィックソフトを使用して作成する仕事です。
イラストレーターは、名前どおりイラストを制作する仕事のこと。ゲームのキャラクター作成など、技術だけでなく絵心が必要とされる仕事です。フリーランスとして活躍している人が多い分野ですが、誰にでもできる仕事ではありません。現在ではソーシャルゲームでイラストの需要が高まっており、WEBエンジニア同様に仕事が見つかりやすいでしょう。
⑥SNS運用
インスタグラム、フェイスブック、ツイッター等のSNSで情報を発信してフォロワーを増やす、各SNSのコメントや問い合わせに返答するなど、クライアントのSNSアカウントの管理をする仕事です。
⑦プログラマー
プログラマーは、ソフトウェアやウェブアプリのフロントエンドやバックエンドなどのコーディング、プログラミングを行う仕事です。プログラミング言語を習得している必要がありますが、かなり需要が高いため、経験があれば仕事を見つけるのに苦労はしないでしょう。
フリーランスとは言え他のメンバーと共にプロジェクトに関わる事が多いため、プロジェクトの期間はクライアントのオフィスに常駐したり、対面でのミーティングを求められる事もあるので、海外で長期のノマド生活をしたい場合は条件が合わない可能性もあります。
⑧SEO (検索エンジン最適化)
SEOはサーチエンジン・オプティミゼーションの略で、Google等の検索エンジンで上位表示させるためにウェブサイトを分析・改良する仕事です。
キーワードリサーチ、コンテンツの最適化、リンク構築などが含まれます。この作業は完全にオンラインで行われ、適切なツールとスキルがあればどこでも行うことできるのでノマドワーカーに適した仕事です。
初心者がいきなりできるものではありませんが、まずは自身のサイトを立上げて実践しながら知識を習得する事から始めてみては。
⑨オンライン講師
オンライン講師は、特定の科目やスキルをオンラインで教える仕事です。ビデオチャットやオンライン学習プラットフォームを使用して、生徒とリアルタイムでやりとりしながら教育を行います。教材の作成やレッスンの進行も、インターネットがあればどこでも可能です。
ノマドワーカーで多いのが言語講師です。日本語をオンラインで学びたい人は世界中に沢山いるので、海外のオンライン言語学習サイトに講師として登録し、日本語を教える事もできます。
⑩アフィリエイト
アフィリエイターは、自分のブログやSNSを通して商品やサービスを宣伝し、その広告収入を得る仕事です。有名な所では楽天やアマゾンのアフィリエイトプログラムがあります。その他、アフィリエイトネットワークという、様々な企業のアフィリエイトプログラムを紹介しているサイトに登録すると、そこから自分のブログに合った商品やサービスを選んで宣伝する事ができます。
全て自分のペースでできるのでノマド生活と相性が良い仕事ですが、収益化し、生活できるようになるまでのハードルが高いというデメリットがあります。
⑪WEBマーケティング
WEBマーケティングは、デジタルメディアとインターネットを使用して商品やサービスを宣伝し、販売を促進する仕事です。GoogleアドワーズやSNSなど特定の広告プラットフォームの専門知識があると良いでしょう。
WEBマーケティング業務は完全にオンラインで行われ、適切なデジタルマーケティングのスキルと知識があれば、どこでも行うことが可能です。
⑫バーチャルアシスタント
バーチャルアシスタントは、遠隔地からクライアントの希望により様々なサービスを提供します。これにはスケジュール管理、メールの処理、データエントリーやリサーチなどが含まれます。
この職種は、インターネット接続と基本的なオフィススキルがあれば、どこでも仕事をこなすことができます。クライアントが必要とする時間はオンラインでいなければならない事がおおいので、自分のペースでできる仕事ではありませんが、専門的な技術や知識が必要ない業務も多いので、クライアントと信頼関係を築く事ができれば長く続けられる仕事でもあります。
⑬YouTuber
現在では芸能界デビューする人まで誕生しているYouTuber。世界各地を旅して動画をアップし、その広告費で生活しているトラベルブロガーはノマドの憧れの仕事No.1ですが、収益化までの道のりがかなり厳しく、即金性を求めている方には向いていません。そのため、上記で紹介したアフィリエイターと同じく、他の業務をしながらYouTuberになる方もいます。
多くの人が面白いと思うようなコンテンツを数多く制作し、フォロワーが増えれば広告収入だけでなくインフルエンサーとしてスポンサーが付く事も。
⑭Eコマース (電子商取引)
Eコマースは、商品やサービスをオンラインで販売するビジネスです。これにはオンラインストアの運営、商品のリスト化、カスタマーサービス、マーケティングなどが含まれます。
また自分でオンラインストアを持っていなくても、Amazon等のサイトに商品を出品したり、ドロップシッピングのように発送業務は全て外部の業者が担当する方法もあり、すべてオンライン上で完結させる事ができます。
⑮コンサルタント
コンサルタントは、特定の業界や分野における専門的な知識と経験を活用して、他の企業や個人にアドバイスを提供します。ビデオチャットや電子メールを通じてクライアントと連絡を取り、問題の解決や目標達成のための戦略を提案します。
ノマドワーカーの中には、デジタルノマドビザの取得の支援等、ノマドワーカーならではのコンサルティングを行う人もいます。
ノマドワーカーの仕事はどう探せばいい？
仕事の探し方に関しては、さまざまあります。まずは仕事を発注したい企業とフリーランサーのマッチングサイトに登録してみましょう。クラウドソーシングとの呼ばれるこれらのサイトでは、自分が何が得意なのかをアピールしましょう。
日本国内のフリーランスマッチングサイト
Crowdworks （クラウドワークス)
日本国内最大のフリーランスマッチングサイト、クラウドワークス。データ入力、事務アシスタント、ウェブサイト制作など200種類以上の仕事があります。クライアントは大企業も含めた70万社以上が利用した実績があり、300万人のフリーランサーが登録しています。
Lancers (ランサーズ)
クラウドワークスの次に有名なフリーランスマッチングサイトがランサーズ。40万以上のクライアント企業が登録しています。副業向け、コンサルタント向け、エンジニア向けといった案件が多くあり、フリーランスとして常駐する案件も推進しています。すっきりとしていて使いやすいインターフェース。
ist (イスト)
アーティストやスペシャリストなど、何かを専門とする人の呼称を表す “ist”。サービス名の通り、システム開発、ウェブサイト制作、デザイン、翻訳、ライティング、マーケティングといった専門職のフリーランスと企業をマッチングするクラウドソーシングサイトです。
通常フリーランサーの報酬から引かれるシステム手数料が安いのが魅力。また、フリーランサー自身のPR動画を無料で作れて、クライアントにアピールできるという面白いサービスがあります。
player.iam-ist.jpcoconala (ココナラ)
ココナラは「スキルマーケット」という形をとっており、クライアントの案件に応募するのではなく、フリーランサーが自分のサービスを販売するシステムになっています。価格もフリーランス自身が設定します。
IT関連の仕事が多い他のフリーランス マッチングサイトに比べ、「悩み相談」や「オンラインレッスン」などが充実しているのが特徴。
海外のフリーランスマッチングサイト
英語に問題がないフリーランサーは、海外のクラウドソーシングサイトに登録する事で仕事の幅を世界中に広げる事ができます。世界最大のフリーランス仕事サイトは以下の３つ。
Fiverr (ファイバー)
世界最大級のフリーランスマッチングサイト。あらゆる仕事を$5から発注できるよ！という意味でFiverrと名付けられていますが、実際の仕事は$5以上でも大丈夫ですのでご心配なく。フリーランサーが自分のサービス(「Gig」と呼ばれる)をパッケージ化して料金を付けて提示できるのが特徴。
Upwork (アップワーク)
アップワークも世界中のフリーランスが利用する巨大クライドソーシングサイト。Fiverrがどちらかというと単発仕事に注力しているのに比べ、アップワークはより長期的な仕事を探しているフリーランス向けといった印象。プロジェクトの管理やメッセージ機能が使いやすい。プロジェクト単位か時給単位で受注できる。
Freelancer (フリーランサー)
フリーランサーも世界中のフリーランス、クライアント企業が利用する大手マッチングプラットフォーム。仕事の種類がとても細かく細分化されているので、自分のスキルにあったジャンルを適切に選びましょう。
海外クラウドソーシングサイトに登録するメリット＆デメリット
世界中のフリーランサーが登録しているため、物価の安い国々からのフリーランサー達が低価格でサービスを提供している事もあり、競争率は高いのがデメリットともいます。
しかし、日本市場をターゲットとしている企業に対して、英日翻訳や日本語が必要なリサーチ、国内での現地調査など、日本語や日本に居住している事がメリットとなる仕事の場合は、日本のフリーランス仕事サイトよりも逆に競争率が低く、仕事を請け負える可能性が高くなります。
ノマドワーカーが使える、その他の仕事サイト
オンライン講師ができるサイト
特定の業種に特化したマーケットプレイスサイトに登録するという手もあります。
例えば外国人に対してオンラインで日本語を教える事ができるPreplyやItakiといったサイトに先生として登録する、オンライン学習プラットフォームUdemyでコンテンツを配信するなども、自分でスケジュールを管理できるため、デジタルノマドにぴったりな仕事と言えます。
ノマドワーカー専用の求人サイト
Indeed等の国内大手求人サイトの多くが「リモートワークOK」の仕事情報を掲載しています。またReWorkerのようにリモートワークに特化した求人サイトもあります。
またグローバルに活躍したい人はRemote OKやWe Work Remotelyといった海外のノマドワーカー専用の求人サービスをチェックしてみましょう。日本語ができる事がスキルとして重宝される場合もありますよ。
ノマドワーカーとは？ノマド仕事の探し方 まとめ
この記事では、ノマドワーカーとはどのような人達なのか、どんな仕事をしているのかを中心に、ノマドワークの探し方や国内外のリモートワーク情報サイトを紹介しました。またノマドワーカーは特定の場所に縛られない自由な働き方をする人々のことを指し、フリーランスやリモートワーカーとは働く場所の自由度において違いがある事も説明しました。
最後のひとつ。ライフスタイルに合わせて仕事をする新しい働き方として注目されるノマドですが、時折「ノマドワーカー、うざい」という意見をあちこちで目にします。ノマドワーカーがうざいと思う理由は「混んでいるカフェでろくにオーダーもせず何時間も居座っているから」。
確かに、カフェで仕事をしていたら混んできて、肩身の狭い思いをした経験があるノマドワーカーも多いでしょう。周囲に迷惑をかけない事が大切な美徳とされている日本では特に、混雑具合などに気をつかう必要がありそうです。
海外でノマドが多く利用するカフェでは、利用時間で料金を取るところもあります。コワーキングスペースより安価で、かつ長居しても周りを気にする必要がないため気が楽、さらに料金を取っている以上は、電源やWi-Fiが充実している、同じようなノマドワーカーが集まる、と色々なメリットがあります。このような場所がもっと日本にも増えると良いですね！
