デジタルノマドやリモートワーカーの仕事場所と言えば、コワーキングスペースやWiFiカフェが定番ですが、今回紹介するWorkloungeアプリは高級ホテルのビジネスラウンジをワークスペースとして利用できるサブスクリプションサービスを提供しています。
現在、タイのバンコク、チェンマイ、パタヤ、プーケット、サムイ島、パンガン島など10都市にある25のホテルが登録されており、随時新しいウンジが追加されています。サブスクリプション会員はアプリに登録されている全てのビジネスラウンジをワークスペースとして利用できます。
バンコクのHyatt Regency SukhumvitやプーケットのIntercontinental、サムイ島のAmariなど、高級志向のビジネスマンも満足できる一流ホテルがラインナップされています。
コワーキングスペースと何が違う?

コワーキングスペースは数多くありますが、ハイエンドなサービスを求めるビジネスマンの需要に応えるワークスペースはこれまで殆どありませんでした。
一流ホテルのビジネスラウンジは、宿泊客でないと利用できなかったり、有料の会員制であったりと、一般客はアクセスできない事が殆どです。これらのラウンジではワークスペースや高速インターネット接続以外にも、高級ホテルならではのゆったりとした空間、行き届いたサービスを受ける事ができます。またホテルにはプールやジム、レストランやバー等の様々な質の高いアメニティがあります。
Workloungeはタイ全国の主要都市やリゾート地を網羅しているので、例えばバンコクからパタヤやプーケットに移動しても、移動先でワークスペースを探し回る必要はなく、快適な仕事場を確保できます。
フィンランド人とアメリカ人による、タイのスタートアップ

Workloungeは2021年10月にサービス提供を開始した、タイを拠点とするスタートアップ企業。共同創業者であるフィンランド出身のRiku Penttinen氏と米国出身のBenjamin Assuied氏は、東南アジアでホスピタリティ業界でのキャリアが長く、コワーキング/コリビングに関する事業にも深く携わってきました。
パンデミックの真っ最中に誕生したWorkloungeですが、一流ホテルのラウンジをラグジュアリー志向のリモートワーカーに提供するというアイデアは長年温めていたとの事。デジタルノマドやテレワークといった場所に縛られない働き方が注目され始めて数年経ちますが、コロナ前までタイではリモートワークは一般的には普及していませんでした。
コロナ禍中、タイではロックダウンなど厳しい規制が施行され、人々はリモートワークを余儀なくされました。タイの重要な産業である観光が完全にストップし、観光業が苦境に追いやられる中、RikuとBenjaminはホテル業界をサポートするべく、長年の構想を実行に移し、Workloungeを起業しました。
ホテル業界に新たなバリューを生み出す

ここ数年、ホテル業界は宿泊場所を提供するだけでなく、様々な付加価値を模索してきました。Workloungeはホテルにリモートワーカーを呼び込む事で、ホテル側には新たな顧客の獲得機会を、リモートワーカーにはハイエンドなワークスペースを提供する事でWin-Winなビジネスモデルを構築しています。
パンデミックの副産物として急速に浸透したリモートワーク。CEOのRikuにコロナ収束後もリモートワークは普及し続けると思うか、と聞いたところ、「100%そう思う」という答えが返ってきました。「皆が完全にリモートワークができるようになるとは思わないけど、通勤する日としない日があるハイブリッドモデルが定着していくと思う。」
リモートワークを積極的に取り入れる企業が、社員が好きな場所で快適に仕事ができるよう、ワークスペースのサブスクリプションを提供する事もあるでしょう。Workloungeで利用できるビジネスラウンジはクオリティが非常に高いので、会社が社員に与える福利厚生としても魅力的です。
タイに行ったらWorkloungeを使ってみよう
Workloungeはタイを訪れるデジタルノマドにも嬉しいアプリ。サブスクリプション会員であれば、アプリ内に登録されている全てのホテルラウンジが利用できるので、移動先でいつでも快適なワークスペースを確保できます。
アプリはApp Store (iOS)とGoogle Play (Android)から入手可能で、料金は以下の通り。
Access Pass | 1日有効/1ラウンジのみ利用可 | $25 |
Gold 10 | 28日 有効 / 10回 | $145 |
Gold Unlimited | 28日有効 / 利用回数制限なし | $275 |
Black | 365日有効 / 利用回数制限なし | $2750 |
Workloungeは現在はタイのみで展開していますが、今後はベトナム、インドネシア、シンガポール、香港などにマーケットを広げていく予定です。
Worklounge CEOに聞く、タイの魅力

タイはデジタルノマドの滞在先として人気がありますが、タイで起業したフィンランド人であるWorkloungeのCEO、Rikuにタイの魅力を聞いてみました。
ます第1に「生活のクオリティ」。タイには想像できる全てのものがあり、質の高い生活が送れるとの事。
2つ目は「美しい自然」。大都市バンコクに住んでいても、たった1.5時間のフライトで世界で最も美しいビーチに行けるところが好きだそう。都会で暮らしながらも自然に触れる機会が多くある事が、生活のバランスを取る上で重要なのだと言います。
そして3つ目は「食べ物」。タイの食べ物は世界でも最高だと断言する彼に、同感の人も多いことでしょう。