今や日本は、距離的に近いアジアからのみならず、遠い欧米からも観光客が集まる人気の旅行先。リモートワークをしながら世界を旅するデジタルノマド達も、日本には大きな興味を持っているようです。日本デジタルノマドビザの発給開始や円安の影響もあり、外国人ノマドにとっては長期滞在もしやすくなっています。
日本がデジタルノマドの旅先として注目を集めつつある中、2024年10月、九州・福岡でデジタルノマド向けの一大イベント「Colive Fukuoka」が1か月間にわたって開催されました。世界からデジタルノマドが集結したこのイベント、一体どんなプログラムなのかを紹介していきます。
Colive Fukuoka 2024はどんなイベントだった?
1か月間という長い期間に渡って開催されたColive Fukuoka 2024。2023年に初開催し、第2回目となったColive Fukuoka 2024は、国内外から200名以上のデジタルノマドが参加し、アジア最大級のノマドイベントとなりました。世界各国のデジタルノマドシーンを牽引するキーパーソン達が登壇するカンファレンス、地元のスタートアップ企業との交流や日本文化体験など、アクティビティが盛りだくさんの1ヵ月でした。
Colive Fukuokaとは?
Colive Fukuokaは、福岡市が推進する「海外デジタルノマドの誘客を目的としたプログラム事業」として開催されるイベントで、福岡市を拠点とする株式会社 遊行(ゆぎょう)(本社:福岡県福岡市、代表取締役CEO:大瀬良亮、以下「遊行社」)が福岡市と共に官民連携のもとに開催するイベントです。
イベント | Colive Fukuoka (コリブ・フクオカ) |
開催期間 | 2024年10月1日~31日 メインウィーク: 10月22日~31日 (10日間) |
開催場所 | 福岡市を中心に、九州各地 |
参加方法 | メンバー登録必須 オプション: 傘下イベント毎に都度払いグリーンパス (10月23日〜25日) – $229ブルーパス (10月22日〜31日) – $429ゴールドパス (10月1日〜31日) – $899 |
主催 | 福岡市 / 企画運営: 株式会社 遊行 |
公式サイト | Colive Fukuoka こちらから登録すると20%OFF! |
※Colive Fukuokaのイベントやカンファレンスは基本的に英語で行われます。
1か月間に渡って開催されたColive Fukuokaですが、メインウィークは10月22日~31日で、「COLIVE FUKUOKA 2024 World Nomad Conference」を含む一連のハイプロファイルイベントはこの週に開催されました。10月23日には、著名な片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんの基調講演も行われました。
リモートワークをしながら世界の色々な地域を旅するデジタルノマド達が福岡に集結し、働き、学び、交流し、そして楽しむための1ヵ月。観光で日本を訪れる観光客とはまた違った視点で、日本の良さを発見してくれた事でしょう!
Colive Fukuoka 参加料金

Colive Fukuokaに参加するには、無料の会員登録が必要です。開催される各イベントに参加するには、3日間、10日間、または1ヶ月のパスを購入するか、イベント毎にその都度参加料を支払うこともできます。
金額だけ見ると高い印象を受けますが、1か月間、毎日様々なイベントが行われ、パスを持っているとその多くに無料や割引で参加できるので、アクティブに行動したい人は結果的にはかなりお得な内容です。
プログラム概要
Colive Fukuokaのプログラムは、世界のデジタルノマドシーンを牽引するノマドリーダー達によるカンファレンス、様々なアクティビティやワークショップが盛りだくさんです。

イベントハイライト:
- 10月1日: サンセットクルーズ、ウェルカムパーティ
- 10月3日: 日本酒蔵ツアーとBBQ
- 10月4日: 博多港で寿司ピクニックと温泉
- 10月5日:着物体験、秋祭り
- 10月8日:屋台ナイト
- 10月12日: 禅体験
- 10月15日~17日: 別府温泉ツアー
- 10月22日〜31日: メインウィーク
- 10月23/28/29日: グローバルスタートアップイベント「ソフトランディング」
- 10月23日〜25日: COLIVE FUKUOKA 2024 World Nomad Conference
- 10月26日〜27日: Synapse Festival
- 10月31日: ハロウィンパーティ
プログラムは1ヶ月間続きますが、スケジュールに応じて短期間の参加や1日だけの参加も可能です。
Colive Fukuokaメインイベント「World Nomad Conference」10月23日~25日

1か月にわたる「Colive Fukuoka」の中でも、特に内容が濃いのが10月22日から31日のメインウィークです。特に10月23日から25日の3日間にわたって開催された「World Nomad Conference」は、30を超える国・地域からデジタルノマド市場を牽引するトップリーダー達が来日し、トークセッションやブース展示を実施。デジタルノマド市場の未来を考える重要なカンファレンスとして、注目のイベントとなりました。
このカンファレンスでは、「デジタルノマドビザ」「コミュニティ」「企業や自治体とのコラボレーション」の3つを主要テーマに、デジタルノマド業界の最新トレンドを掘り下げるパネルディスカッションが行われました。
デジタルノマドビザに関する最新動向
「デジタルノマドビザ」に関するセッションでは、世界と日本の最新動向を詳しく解説。日本でもついにデジタルノマドビザが導入されましたが、このセッションでは、日本、韓国、台湾のデジタルノマド協会の代表者たちが、各国のデジタルノマドビザの現状と未来を議論。また、エストニア、フィリピン、マレーシアなど、デジタルノマドの誘致に力を入れている国々の政府関係者が、ノマド向けインフラ整備や施策について具体的な事例を紹介しました。
デジタルノマドのためのコミュニティ
10月24日の2日目は、「デジタルノマドのコミュニティ」に焦点を当てたセッション。リモートワークをするデジタルノマドにとって、訪れた先々で充実した生活を送るためにはコミュニティが不可欠です。このセッションでは、世界各地で活躍するノマドコミュニティの創設者やマネージャーが登壇し、コミュニティ構築の成功事例や、そのビジネスへの影響についてディスカッションしました。
地方自治体と企業との共創
全国の自治体や企業が、デジタルノマドを迎え入れるための取り組みを紹介するショートピッチ。長崎県五島市、沖縄県名護市、石川県金沢市、神奈川県下田市、山口県下関市(北九州市と共同で「関門地域」として)など、デジタルノマド誘致に積極的に取り組んでいる自治体が、独自の取り組みを発表。
さらに、国内外の企業が会場に展示ブースを設置し、新たなノマド向けサービスやビジネスアイデアをアピールしました。
カンファレンスを彩るコラボイベント
カンファレンス期間中やその後には、日本やアジア地域のデジタルノマドコミュニティとのコラボレーションイベントも行われました。
福岡のテック系スタートアップコミュニティ「Manabu Community」と連携し、九州や福岡のスタートアップ企業と世界中のデジタルノマドをつなぐ「Softlanding」が開催。
また、アジア圏で人気を集めていたコワーキングスペースの運営主体を中心としたノマドイベント「CUasia」が、日本デジタルノマド協会とのコラボレーションにより復活し、アジアを拠点に活躍するノマドのコミュニティに焦点を当てたセッションを展開。
さらに、カンファレンス終了後の10月26日~27日には、能古島でアートと音楽を楽しむ「Synapse Festival」が開催されました。

Colive Fukuoka登壇者
特別ゲスト: 近藤麻理恵 (KonMari)

「こんまり」のニックネームで知られる近藤麻理恵氏は、TIME誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた片づけコンサルタント。彼女は今回のカンファレンスの特別ゲストスピーカーとして登場。
近藤麻理恵氏は、片づけに関する9冊の本を著しており、「人生がときめく片づけの魔法」は44言語に翻訳され、1400万部以上の売上を誇ります。また、Netflixの「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」は2019年にトップのノンフィクション番組として放映され、エミー賞に2度ノミネートされました。彼女の2作目の番組「Spark Joy with Marie Kondo」は2022年にデイタイムエミー賞を受賞しています。
デジタルノマド登壇者

Colive Fukuokaは、世界各地のデジタルノマドシーンのリーダー達が多数登壇。
韓国、タイ、フィリピン、台湾、インドネシアなどのアジア諸国からのスピーカーに加え、ヨーロッパやラテンアメリカからの経験豊富なデジタルノマドも登壇し、世界のデジタルノマドシーンについて学ぶ絶好の機会となりました。
Colive Fukuokaコミュニティアクティビティー

Colive Fukuokaプログラムには。ウェルカムパーティー、日本酒の酒蔵ツアーや禅体験、屋台巡りなど、福岡での滞在を充実させる多くのサービスや体験が含まれています。さらに、地元のスタートアップや、地元学生との交流やコラボレーションを促進するためのイベントもあり、かなり盛りだくさんな内容。市内各地に点在するコワーキングスペースを無料や割引で利用でき(一部時間制限あり)、仕事ができる環境も整えられています。