ノマドとは? 自由に働きたい人必見、ノマド生活を徹底解説
コロナウイルス禍でリモートワークが定着した事や働き方改革の影響で、若者を中心に「もっと自由な働き方で生きていきたい」と考える人が増えています。実際に世界中でフリーランス人口の増加とともに、「デジタルノマド」という働き方を選択する人が増加。日本でも「ノマド」「ノマドワーカー」といった言葉を、耳にする事が多くなってきました。
この記事では、ノマドとは一体何?どんな生き方?といった疑問に答えるために、以下の主要なポイントに焦点を当てて詳しく解説します。
- ノマドとは・ノマドの意味
- デジタルノマドのメリット
- デジタルノマドのデメリット
- ノマドライフに向いている人
「ノマド」って何の意味?
シゴトしながら、旅をする。「ノマド」という生き方
「ノマド」や「ノマドワーカー」という言葉を最近ネットでよく見かけます。ノマドの意味は、一定の居住地を持たずに移動しながら生活する民を意味する英語 “nomad” が語源で、元々は「遊牧民」の事を指す言葉です。
Cambridge Dictionaryによると、ノマドの意味は次のように定義されています:
“a member of a group of people who move from one place to another rather than living in one place all of the time”
つまり、Nomadとは「ある場所にずっと住むのではなく、場所から場所へと移動する人々のグループの一員」という意味。
しかし最近では「ノマド」と言えば、「各地を旅しながらネットを駆使して仕事をこなす自由なライフスタイルを実践している人」 という意味で使われています。
ネットやITを駆使するというのがミソで、元来の遊牧民や季節労働と区別するために「デジタルノマド」と呼ぶ事も多いです。英語では「ノマドワーカー」よりも「デジタルノマド」の方が一般的です。
「デジタルノマド」というのはITを活用して仕事をしながら旅をするというライフスタイルのことです。ITを活用した仕事と聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、ネットやパソコンを使ってリモートでできる仕事という意味で捉えて構いません。
「デジタルノマド」の概念を最初に提唱したのは、なんと日本人
現在デジタルノマドのムーブメントは主に欧米のノマドが牽引している感がありますが、「デジタルノマド」という言葉の生みの親は、なんと日本人なのです。
半導体エンジニアで、元日立製作所専務の牧本次生氏と、デビッド・マナーズ氏の共著「Digital Nomad」と題した本が1997年に出版されました。翌年に日本語版「デジタル遊牧民」が工業調査会より出版されました。現在日本語版は残念ながら絶版となっています。
この本で牧本氏は、科学技術の進展とともに労働者もノマド的な生活が可能になると予言しました。「サイバーエイジのライフスタイル」というヘッドラインが付いたこの本が書かれた時代にはまだスマホなどはなく、携帯電話がようやく一般に普及し始めた頃。そんな時代にデジタルノマドという生き方を提唱していた牧本氏は、まさに先見の明があったと言えるでしょう。
日本でも広がる、ノマドのネットワーク
福岡市をはじめ日本各地の多くの自治体が、地元の経済活性のため、国内と海外からのノマド誘致に関心を寄せています。(参考:NHK デジタルノマドを福岡に!)
2024年には、海外からのノマドを日本に誘致するための「デジタルノマドビザ」の発給も始まりました。
デジタルノマドに多い職種
デジタルノマドに多い仕事の職種としては、
- ライター
- エンジニア
- Webデザイナー
- 動画編集者
- SNSマーケター
などがあげられます。上記のような職業の場合、インターネット環境とパソコンがあれば作業可能なので、家でもカフェでもコワーキングスペースでも働けるのです。
またデジタルノマドワーカーの多くは個人事業主のフリーランスです。企業の正社員としてノマドライフを実践するのは難しいかもしれませんが、IT系スタートアップ等で完全なリモートワークを導入する会社も少しづつ増えてきています。
「ノマドワーカーになりたい!」と思ったら、自分はどのような職種でなら独立が可能かを考えてみましょう。勉強して仕事を取らないことには何も始まらないので、のまどとしてやっていけるスキルを向上させることが重要です。
ノマドのメリット
多くの人がノマドライフを選択するのは、以下のようなメリットがあるからです。
- 自分の裁量で仕事をコントロールできる自由
- 通勤時間のストレスがなくなる
- 好きな場所へ旅ができる
- 一人で生き抜くスキルを身に付けられる
- 職場や社会の自分にとって不必要なしがらみから抜け出せる
ノマド生活の大きなメリットは会社員の多くが感じている、満員電車のストレスや通勤時間、人間関係の悩みなどが解消されることです。さらに仕事量を自分で調節できるので、自分のペースで働くことも可能になります。
会社に依存しない分、営業から納品まで全て自分で行わなければいけません。責任は大きく負担に感じることもあるかもしれませんが、「スキル」という資産がどんどん自分の中に蓄積されていきます。
さらに、移動生活ができるので、旅好きな人は毎日を旅行のように楽しめること間違いなしです。定住する場所を持たず、居住地を転々とするアドレスホッパーという冒険的な生き方を実践している人々もいます。
また日本よりも物価の低い国にデジタルノマドとして滞在し、生活費を節約しながらビーチライフを満喫する事だって可能です。国内でも、家賃や生活費の高い都心部から脱出する事で、より支出を抑えて生活する事もできます。
ノマドのデメリットとリスク
ノマドとして生活するには、デメリットやリスクがある事も理解しておく必要があります。
- タスクや時間の管理はすべて自己責任
- 仕事を共有する仲間がおらず、孤独を感じやすい
- パソコンを紛失したり破損したりすると、仕事ができなくなる
- セキュリティに注意が必要
- 定住しない生活スタイルには相当のエネルギーが必要
ノマドとは、自由な生活スタイルを実践する事。反面、全ての責任はノマド自身にあります。仕事を請け負う以上、誰かに代わってもらう事はできません。フリーランス全般に言える事でノマドに限った事ではないですが、会社に勤めている時よりも自己管理はより大切になります。
また、孤独になりやすいことにも注意が必要です。チームメンバーと常に顔を合わせている場合と違い、仕事を共有する事がないので自分の思う通りに進められる一方、相談相手がいないというデメリットがあります。
孤独になりがちなデジタルノマドのニーズを反映してか、ノマド向けカンファレンスやコワーキングスペースのイベントなどネットワーキングができる機会は多く設けられています。ノマドワーカー向けのコワーキングキャンプや世界中のデジタルノマドと共に世界各地を旅するツアープログラム等もあります。このようなイベントに参加する等、 同じような環境にいるデジタルノマド達と繋がったり、ネットワークを広げる事も大切です。 シェアハウスやコリビングに滞在するのもオススメです。
デジタルノマドは、ネット環境やパソコンがないと仕事ができません。会社員であれば、予備のパソコンを貸してもらったり買いに行ったりできますが、田舎や海外に拠点を置いているノマドワーカーはすぐに対応できない場合が考えられます。
日頃からパソコンのメンテナンスに気を配り、セキュリティに注意しておきましょう。特に海外ノマド生活では、 盗難被害などにあわないよう注意が必要です。また滞在地によっては停電があったり、ネット環境が悪い場合がある事も念頭において行動しなければなりません。
移動しながら生活するのは、楽しい反面多くのエネルギーが必要です。バーンアウトしないためにも、お気に入りの土地を見つけたら、落ち着いて少し長く滞在するなど、リラックスする事も忘れずに。
デジタルノマドに向いているのはこんな人
ノマドについてのメリット・デメリットを読んで「自分もデジタルノマドに挑戦してみようかな」と思った方もいるのではないでしょうか。
最後にざっくりとデジタルノマドに向いている人の三箇条を紹介します。
- 何かに縛られず、自分の責任で生きていきたい人
- 常に新鮮な環境に身を置いていたい人
- 自分で計画を立て、実行できる自己管理ができる人
デジタルノマドは「移動」「自己責任」「新しい環境」に楽しさを感じられる人にぴったりな働き方です。逆に楽しさよりストレスを感じてしまう人には難しいでしょう。
ノマドについて FAQ
✅ ノマド(英語: nomad)は、 定住地を持たずに移動しながら生活する民、遊牧民の事を指す言葉ですが、最近は「各地を旅しながらネットを駆使して仕事もこなす自由なライフスタイルを実践している人」 という意味で使われています。
✅ 現在、デジタルノマドの多くはフリーランスとして働いています。職種はライター、SNSマーケター、アフィリエイト、ウェブデザイナー、プログラマー、オンライン講師など、ネット環境とパソコンがあればできる仕事が一般的です。 >>ノマドワーカーの仕事について
✅ ノマド生活がキツイかどうかは人ぞれぞれですが、企業やチームに属さない場合が多いので、自己管理とひとりで物事を進められる実行力がないとキツイかもしれません。
✅ コワーキングスペースやネット環境の整ったカフェ、ゲストハウスなど。コロナ禍では宿泊客が少なくなったホテルがテレワーク用に部屋を提供し、個室で静かに仕事したい人に大きな需要がありました。アドレスホッパーとしてAirbnbや住居のサブスクサービスを利用して部屋で仕事をするノマドもいます。
✅ パソコンとネットがあればできる仕事にも色々あります。プログラマーやデザイナーとして個人で仕事を取るにはそれなりの勉強と実績が必要です。ライティングやSNSマーケティングでもまずは自分のページを開設してアクセスを集める等、クライアント獲得のための下地を作っておきましょう。
✅ 確かに、ノマドとして生活するのは孤独な一面があります。そのため世界各地には様々なノマドのコミュニティがあり、イベント等が行われています。日本でも少しずつこのような動きが盛んになってきています。
デジタルノマドとは まとめ
ここ数年話題になっている「ノマド」の意味、その生き方とメリット・デメリットを解説しました。ノマド的な働き方を考える上で大切なのは「自分が楽な状態でいられるか」です。デジタルノマドは働きながら旅を楽しめたり、満員電車のストレスから解放されたり、良いことばかりに思えるかもしれません。
しかし自分ひとりに大きな責任が伴うので、全ての人に向いている働き方ではありません。会社員が楽という人もいますし、ノマドが楽という人もいます。
「流行っているからこれからの時代はノマドだ」と決めつけずに、自分に本当に合っているかを検討してみましょう。いきなり会社を辞めるのではなく、まずはワ―ケーション制度などを利用して、一定の期間旅先で仕事をしてみると良いかもしれません。
「デジタルノマドを目指す」と決意したら、あとは行動あるのみです。目標に向けてスキルを磨き、Nomadライフをエンジョイしていきましょう。